2018年8月にマレーシア・ランカウイ島のマリオットグループ(旧SPG系)の3ホテルに宿泊しました。
ジ・アンダマン・ラグジュアリーコレクション(以下、アンダマン)
*旧SPGファンとしては「ラグジュアリー・コレクション」と書く方が正しいと思うのですが、本ホテルは一般的なガイドブックで「アンダマン」と紹介されていることが多いので、本記事では「アンダマン」と記載します。
ウェスティン・ランカウイ(以下、ウェスティン)
セントレジス・ランカウイ(以下、セントレジス)
どのホテルもガイドブックなどに高級リゾートホテルとして紹介される素晴らしいホテルですが、せっかくですので、ガイドブックには書けない比較記事です
3歳の娘を連れての旅行でしたので、実体験と同じ子連れファミリー視点で比較します。
新マリオットのトラベルパッケージなどで長期宿泊する際にはどのホテルがベストなのか?参考になれば幸いです。
長いので結論だけ見たい方は、目次から結論!総合評価をクリックしてください。
本記事は、大先輩のプラチナハンターさんの
【マリオット&SPG】シンガポールにある3つのホテルを比較!【やっぱオススメはJWマリオット!】
【マリオット】ホーチミンにある3つのホテルを徹底比較!【SPG】
を強く参考にさせていただいています。
目次
前提知識
ホテル内の飲食代(レストラン)は高額です
ランカウイ島内で食事をするなら、主に3パターンだと思います。
- 地元のローカルな屋台やレストランやフードコート
- 東南アジア料理が苦手だったり飽きてきた時に親しみのあるマクドナルドやスターバックスなどのグローバル系飲食店
- 宿泊しているホテル内のレストラン
この3パターンで飲食費が10倍以上変わります。
ランカウイ島のローカルの飲食物などの物価は日本の日常生活の3割~5割程度です。カップラーメン1個40円、地元のフードコートで1食300円というレベルですね。
マクドナルドやスターバックスなどのグローバル系の飲食店でも5割~8割程度です。マクドナルドのダブルチーズバーガーセットで300円程度、スターバックスのフラペチーノは400円程度です。味も国内で食べるものと変わりなく、東南アジア系の料理が苦手な方や、飽きてしまった時にも安心して食べることができます。
そして、ホテル内のレストランについては、日本の高級ホテルのレストランとほぼ変わりません。本記事で紹介するホテルでは、一人当たり朝食2500円・昼食3000円・ディナー5000円~8000円程度とそれなりに高額でした。
地元のフードコートとホテル内のレストランで食べるのでは、日本以上にお金の出方が全く異なります。
つまり、近くの飲食店へのアクセスの良さ、も考慮した方が良いでしょう。

1泊10万円相当のスイートルームで、カップヌードル3個(120円程度)の食事をする我が家。こんな日も混ぜないと毎食ホテル飯では破産です(笑)
マリオットグループの上級会員の対応について
2018年8月上旬時点(8月18日のマリオット・SPG統合前)で、旧SPGプラチナ会員は
- メインレストランで朝食無料
- 飲食店20%オフ(アンダマン内の一部レストランのみ20%オフ適用外店あり)
を受けることができました。
なお、本記事で紹介する3ホテルにはラウンジ(クラブラウンジ・エグゼクティブラウンジ等)はありませんでした。
宿泊価格最低ライン(目安)
スイートルームなどではなく、最安の部屋の価格の目安です。直前・繁忙期などは価格が上がりますので、1か月前までには予約しておきたいですね。
アンダマン→2~3万円程度
ウェスティン→2~3万円程度
セントレジス→4~5万円程度
とアンダマンとウェスティンがほぼ同等、セントレジスが1.5倍程度の価格であることが多いです。
<結果>
(安い)アンダマン=ウェスティン>>セントレジス(高い)
立地
アンダマン(3)で島の北西、ウェスティン(1)とセントレジス(2)は島の反対側の南東にあります。
空港は西側の中央部にある飛行機のマークのところですね。
*本記事の比較には入れられませんでしたが、2018年11月にアロフト(4)がオープンしますね。こちらも楽しみです。
空港からのアクセス
アンダマンは、空港からタクシーで約40分。道のりは山道がメインで、アップダウン・S字カーブも多く、子どもや車酔いしやすい方にはややきついです。
ウェスティンは、空港から約25分程度です。グーグルナビでは40分程度と表示されますが、道のりは直線・平坦が多い為か、ナビより早く着く場合が多いです。道も良いのでアンダマンと違い酔うこともほとんどないでしょう。
セントレジスは、ウェスティンとほぼ同じ位置にあり、空港から25分程度です。ウェスティン同様、酔うことは少ないと思います。
<結果>
(近い・楽)ウェスティン=セントレジス>>アンダマン(遠い・大変)
周辺施設
アンダマンは、ビーチ以外は周りを山々に囲まれており、周辺にはコンビニやレストランなどは無く、動物園とゴルフ場しかありません。Grab(タクシー配車サービス)でタクシーを呼ぶこともできず、ホテルでタクシーを呼んでもらうことは可能ですが高いです。なお、歩いてどこかに出かけようとしてもホテルのエントランスから正門まで1km近い上り坂が続くため、正直、一度ホテルに入ったらホテル外に出る気が無くなります。
ウェスティンは、最寄りのショッピングモール・飲食店街まで徒歩10分orタクシー150円程度で行くことができます。前述の通り、ホテルの飲食はとても高いのでタクシー代を使ってでも地元の飲食店に行ったり、マクドナルドやスターバックスなどの馴染みの店で費用を浮かせる日を作れるのが地味に大きいです。
セントレジスは、ウェスティンと同じショッピングモール・飲食店街までいくことも可能です。
<結果>
(周辺施設がある)ウェスティン=セントレジス>>>アンダマン(ない)
ホテルの設備
施設の雰囲気・豪華さ
アンダマンは、山のど真ん中に迷い込んでしまったかと思ったら、驚きの天井高のロビーがお出迎えです。「こんな大自然の中にこんな広大な人工施設が!」という映画のワンシーンのようなインパクトがあります。周りは山々と木々に囲まれ、目の前に猿やイグアナなどが横切ることもあります。山の自然を感じながら、プールやビーチを楽しむ。そんな非日常感を味わいたいなら間違いなくアンダマンです。

アンダマン・ラグジュアリーコレクションのエントランス。山の中の寺院に入ったような雰囲気があります。
ウェスティンは良い意味でスタンダードな欧米な雰囲気です。ローカルでもなく、トラディショナルでもありません。次項のセントレジスと違い高級感も特別ありません。しかし、慣れない土地、慣れない言語の中ですので、雰囲気だけでも馴染みのあるスタンダードな欧米の雰囲気の方が落ち着く、というのも全然ありだと思います。
セントレジスは、ウェスティン同様欧米の雰囲気ですが、全てに高級感が漂います。ロビーも、室内も、とにかく天井が高く、床は大理石がふんだんに使われ、壁にも巨大な絵画が飾られまくっています。エレベーター内の照明までこだわりを感じ、さすが旧SPG系の最高峰ホテルだと実感します。ミドルクラスのホテルにはないゆとりとこだわりを感じます。客数のキャパも多くなく(89客室)、静かに過ごすことができます。スタッフの対応も素晴らしいです。

セントレジス・ランカウイのエントランス。天井高すぎです。
<結果>
本項は好みの問題が大きいのですが、あえて評価するならば・・・
伝統な雰囲気・自然が好きならアンダマン。
欧米系の雰囲気大好きなら、ウェスティン。
高級感・VIP感大好きならセントレジス。
ホテル内の飲食店の充実度
公式ホームページにはどのホテルにも6つずつレストランがあるように見えますが、実際には日替わり営業だったり、カフェ・プールバー程度の店も含まれているので注意が必要です。事前にランチ・ディナーが食べられる店はどこか。宿泊期間中の営業日(休業日)・営業時間などを確認しておきましょう。
アンダマンは、洋食・和食・シーフードの店など、日本人にも食べやすい飲食店が充実しています。3ホテルで唯一日本食レストランがあるのが嬉しいですね。

アンダマンのシーフード料理。

店員さんに勧めらられるがままに頼んだ魚の焼きたて。めちゃくちゃおいしかったです。
ウェスティンは、メインの洋食レストランの他は、ビーチサイドのレストランがシーズンごとに異なる文化の食事を提供しているようでした(私の行った時はアラビアン料理でした)。
セントレジスは、メインの室内のレストランと屋外のレストランが日替わり営業のような状態で、選択肢があまりありませんでした。

セントレジス・ランカウイでのランチ。チキンとベジタブルライス。
<結果>
アンダマン>ウェスティン>>セントレジス
プール
アンダマンは、大きなプールが1つです。しかし、このメインプールが素晴らしく、水深30cm程度のところから1.5m程度のところまで様々あり、子どもも大人も楽しむことができます。また中央部にはプールのスライダーがあります。日本ではプールのスライダーは年齢規制されていることがほとんどですが、特に制限はありませんでした。我が娘も人生初のスライダーを楽しみました。

アンダマンのプール&スライダー。この広さとスライダーは子どもも大喜びでした。
ウェスティンは、趣の異なるプールが4つあります。メインのプールの水深は1.5m程度でインフィニティプールになっており、海を眺めながらプカプカと漂うことができます(プールバーも隣接しており、リゾート慣れした白人たちがずっとプールに漬かりながら酒を飲みながら談笑していました)。他に、30cm程度の幼児用プール。ビッグサンダーマウンテンに迷い込んだような岩山のプールがありました。時間帯や日によってプールを使い分けることで飽きずに遊ぶことができます。

ウェスティンの趣のあるプール。初見では見ごたえありますが、泳ぐのには向いていません(笑)
セントレジスは、メインのプールが1つと、幼児用プールが1つです。メインのプールの水深は1.5m程度で広さがやや手狭です。そして、幼児用プールですが、隣がプールサイドのキッチンで何かを焼いている煙が漂ってくること、近くに喫煙可能な休憩スペースがあり副流煙が流れてくる為、安心して遊ばせられる場所ではないと感じました。

セントレジス・ランカウイの子ども用プール。泳ぐのには狭いですが、いるかのシャワーは子どもも大喜びでした。
<結果>
(プール充実)アンダマン=ウェスティン>>セントレジス(プール非充実)
ビーチ
3ホテルとも、プライベートビーチを有しており、プールサイドからすぐにビーチに出ることができます。ビーチサイドにバーや軽食もあり、優劣をつけるほどの違いは感じませんでした。

アンダマンのビーチにて。
<結果>
引き分け
トレーニングジム
3ホテルとも、トレーニングジムを有しており、ウェイト系・ランニングマシンなども揃っており、優劣をつけるほどの違いは感じませんでした。
しいて言えば、ウェスティンは宿泊する部屋によって、ジムまでがやや遠いかもしれません。

セントレジス・ランカウイのジム。充分揃っています。
<結果>
引き分け
子ども向け設備
アンダマンは、屋内にキッズルームがあり、突然の雨天時などにも子どもを遊ばせることができます。保育士も明るく積極的に関わってくれて、折り紙や塗り絵、工作などを一緒に行ってくれます。

アンダマンのキッズルーム。天気が悪い時などに便利ですね!
ウェスティンは、屋内にキッズルームがあり、突然の雨天時などにも子どもを遊ばせることができます。アンダマンのコピペか!と思われそうですが、ほぼ同じような遊具・設備が揃っていました。ただし、保育士(スタッフ)は時々点検に来る程度で、レクチャーなどはありません。また、屋外に公園のような幼児用遊具スペースがあり、滑り台・ブランコなどがあります。プール・ビーチなどの水遊びに飽きた場合にはこちらでも気分転換できますね。

ウェスティン・ランカウイの屋外公園
セントレジスは、子ども向け設備はありません。
<結果>
(子ども向け充実)ウェスティン>アンダマン>>セントレジス(子ども向け設備ない)
ラウンジ
ランカウイ空港には、ラウンジが2つあります。1つ目はプライオリティパス利用のプラザプレミアムラウンジです。そして、珍しいのは、セントレジス宿泊者(条件なし)及び、ウェスティン宿泊者(条件あり)が利用できる宿泊者専用ラウンジがあります。手荷物・保安検査後の搭乗ゲートが視界に入る場所にありますので、搭乗ギリギリまで利用できるのはかなり便利です。私の体験の限り日系と違い、マレーシアでは15分~20分程度の遅延が当たり前なのでダラダラ待てるのは大変助かります。

ランカウイ空港の、セントレジス・ウェスティン宿泊者専用ラウンジ。待ち時間を優雅に過ごせます。
アンダマンは、ラウンジ利用できません。
ウェスティンは、スイートルーム宿泊・ヴィラ宿泊・SPGプラチナメンバーの場合、利用することができます(公式リンク)。
セントレジスは、全ての宿泊者が利用できます(公式リンク)。
仮にアンダマンやウェスティンの一般だったとしても、最終日はウェスティンのスイートかセントレジスに1泊してでも、利用権を得ておくのはアイデアかもしれませんね。
<結果>
セントレジス>ウェスティン>>>>>アンダマン
結論!総合評価と感想
子育て世帯の視点から、結論です。
<結果>
(おすすめ)ウェスティン>>アンダマン>>>>>>セントレジス(子育て世帯向けではない)

ウェスティン・ランカウイ。ここが間違いないです!
3ホテルを宿泊した身として、子育て世帯も含め、誰にでも間違いなくおすすめできるのはウェスティンです。全ての項目で不満点が無く、周辺施設が充実しており飲食費も安く抑えることができます。子育て世帯においては、プールの充実と、水遊びだけでなくキッズルームや公園などの施設もあるのが大変助かります。山の中の大自然よりも洋風で綺麗な場所が良いという方なら間違いなくウェスティンです。対象者は限定されますが、復路の空港でラウンジが使えるのも大きいですね。
「せっかくなら非日常感をたっぷり味わいたい」と思われる方ならアンダマンがおすすめです。山の中の秘境に迷い込んでしまったような非日常感や、目の前を30cm大のイグアナが通り過ぎ、プールサイドにはサルやリスがいる光景は日本では味わえないものがあります。他にも子ども用のプールスライダーと、フレンドリーな保育士さんのいるキッズルームはウェスティンにはない魅力です。注意点は3つ。
- サル・イグアナ・ヤモリなど色んな動物・虫が目の前を通ります。家族の中に「虫とか絶対ムリ!」という方がいないか確認しておきましょう。
- 車酔いしやすい方は、ホテルに行くまで、ホテルから出かける時の酔い止めなどを十分に用意しておきましょう。
- ホテル内で食事をすれば飲食費が高額です。ホテルの外に食べに行くなら交通費がかかります。いずれにせよお財布には余裕をもっておきましょう。
セントレジスは高級ホテルとして素晴らしいホテルですが、就学時前の子育て世帯などには向いていないでしょう。しいて言えば、「ここは高級ホテルである」ことを認識できる年齢になっていれば社会勉強になるかもしれませんね。個人的には子どもが社会人になってから夫婦だけでゆっくり訪れなおしたいホテル、という印象です。
以上、今回は自分が宿泊したマレーシア・ランカウイ島のマリオット系(旧SPG系)ホテルの比較レビューを書いてみました。
マリオットとSPGの統合により、新トラベルパッケージで旧SPG系も選択できるようになりますね。ぜひ、ランカウイ島の旧SPGホテルももいかがでしょうか?
なお、アンダマン・ウェスティンは新カテゴリー5、セントレジスのみ新カテゴリー6です。
各ホテルの詳細を知りたい方は↓のリンクよりどうぞ


